公園の猫 3
S子とチームを組んで五年目になっていました。
ずっとチームを組んでいると、お互いの批判や行き違いも出てきそうなものですが、S子とはそんな事もありませんでした。
二人で休憩する時には、次の仕事の段取りを確認したり細かい分担を決め、時間が余ればスマホを弄ったり、テレビを眺めて静かに過ごしていました。
一応、急用などで休む場合もあるのでラインも交換していましたがお互いに急用で休むことなど数える程しかなく、ラインでそれ以上のプライベートなやりとりはしていませんでした。
S子から夜ラインが来たのは、チームを組んで五年目となったすぐの頃でした。
(すいません、夕方派手に転んで擦り傷と打撲で身体中痛むので、一応明日病院に行こうかと思います。明日休んで大丈夫でしょうか?)
突然のラインと内容に不意をつかれ戸惑いましたが、考えてみると明日の仕事は先延ばしにしても差し支えないものだったのでS子にその事をラインで伝え、お大事に、無理しないで、と追記しました。
転んだという状況が似合わないというか、想像しにくいS子でしたが、病院に行くというのはよっぽどの事だと思い、心配になりました。
翌日、職場で片付けやら準備やらを一人淡々とこなしているとS子からラインが入っていました。休憩時間に確認すると、どうやら骨折などはなく大事には至らなかったそうで、明日から仕事に行きます。とのメッセージの後に、迷惑かけてごめんなさい。と入っていました。
S子を労うメッセージを送り、私は仕事に戻りました。S子に大分頼っていたので明日出社できると分かりホッとしていました。
ー続くー