公園の猫 11
あの女性に意見されてからも、S子は公園に寄って猫にエサを与えていました。
あれ以来会うと会釈するようになり、たまに向こうから近付いてきて話をすることもありました。
彼女は倉井と名乗りました。この近くで貸しスタジオとアクセサリー販売をしている、と言い、先日去り際に見たバッグチャームをS子に見せてきました。
フクロウを象ったバッグチャーム。青く透き通った中に混ざり合った色彩の渦が神秘的なアクセサリーでした。
バッグチャームは倉井のハンドメイド作品で、希望があればアクセサリー製作の体験も出来るそうで
(良かったら今度遊びに来て、やってみると面白いのよ)
そう言う倉井の笑顔を見ていると、誘いを受けるのもいいかと思うようになりました。
倉井は夫と二人暮らしのようでしたが、来週は夫が仕事で居ないから、と誘われ来週の土曜日に倉井の家に行くことに決めました。
ー続くー